「まだ働いて間もないけど、もう限界かも」そう感じながら、「すぐ辞めたら根性ないって思われないかな」「辞める時ってどうしたらいいんだろう」と悩む新人看護師さんは少なくありません。
実は、辞めること自体は悪いことではありません。
ただし、”辞め方”や”辞めた後の準備”を丁寧にすることで、あなたの今後のキャリアにもいい影響を与えます。
この記事では、入職して間もないうちに辞めたいと考える看護師さんに向けて、辞めるタイミング・伝え方・退職後にややるべきことまでをお伝えします。
この記事の内容
早期退職でも大丈夫!でも辞め方は大事

・誰にでも合わない職場はある
・早期退職だからこそ、マナーを守ることで、「印象悪くならない辞め方」をしましょう!
・基本的な退職マナーをおさえるだけで、円満に次の職場へ
新人看護師のスムーズな退職のための事前準備

・直属の上司(師長)に早めに口頭で相談する(メールや電話はNG)
・引き止めに備えて退職理由を整理しておく(80%の確率で引き止められます)
・有給休暇が残っている場合は、師長と相談して日程を調整する
・病院の奨学金貸与をしている場合、返還方法を確認しておく(一括返済なのか、分割なのか)
・退職後、転職するか一度休むかを考えておく
→転職するときは、転職サイトで転職先を余裕を持った日程で見つけておく
→休むときは、失業手当の受給の確認をしておく(早期に退職すると受給できない場合があります)
看護師の退職っていつ伝える? タイミングとコツ

・忙しい時間帯は避け、落ち着いたタイミングで相談する
繁忙期(GW、夏季休暇、年末年始などの連休)避けるのがベスト
・一般的には退職希望日の1〜2ヶ月前に退職の意思を伝える
※法律では、最低14日前に退職の意思を示すことで退職できますが、自社の就業規則の規定は必ず確認!
・ボーナス支給や夜勤シフト考えておきましょう
新人看護師でも使える退職理由の伝え方・例文集

ボジティブに伝えることが大事
◎例:
・「自分の適性を考え直し、別の環境でもっと成長したいと考えました」
・「以前から興味があった分野に挑戦したいと思い、転職を決意しました」
・「自分の体調やライフスタイルを見直す必要があると感じ、少し休養を取ることにしました」
・「働き方を見直し、自分に合った職場を探したいと考えています」
・「新しい分野で看護の経験を積みたいと思い、今回の決断に至りました」
×NG例:
・「もう疲れたので辞めたいです」
・「人間関係が最悪だから辞めます」
・「給料が安いので辞めます」
これらは職場への不満をそのまま伝えているだけなので、印象が悪くなりがちです。退職理由や、今後の面接などでは「ポジティブな方向に言い換える」ことが大切です。
個人的な事情にするのもOK
・「体調不良が続いており、少し休養が必要だと感じた」
・「生活リズムを見直す必要があると感じた」
どの理由でも、「職場に不満があったから辞めます」という印象ではなく、将来を見据えた選択であることを伝えることが大切です。
退職までの引き継ぎ・退職マナーのポイント

・欠勤や無断欠席はNG
・最後まで仕事に責任を持つことが社会人のマナー
・自分の受け持っていた業務はメモ付き、もしくは手順書などで引き継ぐ
・お世話になった先輩や先生への挨拶やお礼を忘れないように
退職時のお礼の仕方は? 菓子折りの価格相場は?

・メッセージカードや菓子折りなど
・高価なものでなくてOK。気持ちが伝わるもので十分
・同僚やお世話になった人へは個別で一言添えると印象◎
菓子折りの値段相場(所属している人数にもよります)
▷1000〜3000円程度 軽いお礼や挨拶など、ちょっとしたお礼の場合
▷3000〜5000円程度 退職時のお礼として、職場や部署の方に配る時の場合
☆私の例
退職時は、プリセプターの先輩にメッセージカードとお菓子を渡し、全体へは、人数分の菓子折りの詰め合わせを渡しました。
退職後に返却する物品、必要な書類

返却物 健康保険被保険者証、社員証、名札、制服(クリーニング済)、ロッカーの鍵
必要な書類 雇用保険被保険者証、源泉徴収票、年金手帳、離職票、退職証明書
返却物は、リスト化して返却忘れのないようにしましょう。
退職後にやるべきことリスト|失業手当・手続き・転職準備

・健康保険を「国民健康保険」に切り替えるか、「健康保険を任意継続」するかを決める
・失業手当の受給は、離職票が必要になることもあるので、確認しましょう
退職後の公的医療保険
□健康保険の任意継続被保険者となる条件
・健康保険の被保険者期間が継続して2ヶ月以上
・退職日の翌日から20日以内に申請する
・加入期間:最長2年間
・保険料:全額自己負担
□国民健康保険に加入する
・退職日の翌日から14日以内に市区町村に申請
・保険料:全額自己負担
失業保険(ハローワーク)の手続き
・条件を満たしていれば、受給可能
・自己退職都合でも、「1年以内の勤務なら手続き可能」
・離職票を会社からもらいましょう(退職日から2週間ほどで届く)
↓詳しくはこちらの記事を参照してください↓
転職準備
□まずはしっかり休養を!!!
・心も体も疲れ切っているので、しっかり休みましょう
・旅行や趣味に時間をかけるのも◎
□次の職場が決まっている場合
・その職場の事前学習を軽くしておく(面接採用時にどんな仕事内容か聞いておくのも◎)
・仕事が始まるまでに生活リズムを整える
・必要なものなどを揃えておく
□転職活動をする場合
・自己分析してから転職サイトなどに登録し、自分に合った職場を探す
・履歴書、職務経歴書の準備
・面接対策
・職場見学(できるなら自分自身が患者として受診し、雰囲気を見るのも◎)
退職後は保険の切り替えや次の職場探しなど、環境の変化もあってバタバタしがちです。少しづつ整理して、焦らずにひとつずつ実施していきましょう☺︎
新人看護師の退職の進め方✏︎ざっくりスケジュール

①自己分析を行う
②退職するか、しないか、部署異動したいと伝えるか決める
③退職すると決めたら、そのことの理由の整理をして師長に伝える(最低14日前〜2ヶ月前)
④転職するか、しばらく休む(失業手当の受給方法の確認も)か決める
⑤業務の引き継ぎをする
⑥ロッカーの掃除、返却物の確認をして返却する
⑦退職日に菓子折りを渡して、挨拶をする
⑧退職後、国民健康保険の手続き・失業保険の手続き・転職の時は次の職場の準備
⑨休養の時間を確保
↓自己分析の参考記事はこちら↓
まとめ|気持ちよく退職するために、前向きな一歩を踏み出そう

退職は、あなたの将来のための大切な選択です。
「もう無理かも」と感じたときは、無理をせず自分の心と体を大切にしてあげてください。
1年目で辞めることに罪悪感を抱く必要はありません。大事なのは、「どう辞めるか」と「辞めた後の準備」を丁寧にすることです。
円満な退職は、あなたのキャリアにプラスの影響を与え、これからの看護師としての可能性を広げてくれます。
自分らしく働くための第一歩として、この選択がより良い未来につながることを願っています。どうか焦らず、自分のペースで進んでいってください。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました