こんにちは!
病棟未経験ナース、7年目ののあです
今回は、新卒1年目で転職することは大丈夫なのか?
そして、その後のキャリアにどんな影響があるのか?
そんな不安を抱えている方に向けて、私自身の体験をもとにお話ししたいと思います。
転職して良かったこと、後悔したこと、当時のリアルな気持ちを赤裸々に綴っていくので、よければ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
この記事の内容
新卒1年目でPICUに配属された私の現実

新卒で看護師として働き始めた私は、小児集中治療室(PICU)で配属されました。
本当は新生児集中治療室(NICU)を希望していたのですが、配属は希望通りにはいかず、初めての職場は、重症の子供達が運ばれてくるPICUという場所でした
学生を卒業したばかりの私は、社会人としても看護師としても1年目。
命と真剣に向き合う現場に、右も左も分からないまま飛び込むようなスタートでした。
もちろん、学生の時から「命を預かる仕事」だという覚悟は持っていたつもりです。
ですが、現実は私の想像を遥かに超えていて、「覚悟が足りなかった」というより、現実の重さに心が耐えきれなかったのです。
さらに追い打ちをかけたのが、先輩看護師のとても厳しい指導です。
新卒だし、先輩から厳しく指導されることは「それくらい当然」と言われるかもしれませんが、毎日毎日多くの指摘を受けてばかりで、心がすり減っていきました。
自分にできることはほとんどなく、何をしても叱られるたびに、少しづつ、自分の存在価値を見失っていきました。
人の命を預かるプレッシャー、常に張り詰めた空気の中での厳しい指導、何もできない自分
その全てが重なって、毎日泣きながら仕事に行く毎日でした。
そんなある日、これがずっと続くのかな…とふと思いながら、毎日、不安と葛藤を抱えたまま出勤していました。
そしてとうとう、心と体が限界を迎えたのか、全身に湿疹が出てきてしまったんです。
「ああ、もう無理だな、これ以上ここで仕事していると壊れてしまう」そうして、退職を決めました。
心も体も限界、看護師1年目で退職を決意し、毎日泣いていた日々からの解放
退職してまず感じたのは、大きな解放感でした。
「もう、あそこにいかなくていいんだ」「毎日泣きながら必死で手技を覚えて、ミスしないようにビクビクする日々は終わったんだ」そう思った瞬間肩の力がふっと抜けて、心がとても楽になったのを覚えています。
プレッシャーと恐怖の中で生きてきた時間が終わり、やっと呼吸ができるようになった
そんな感覚でした。
退職してからの私は、2〜3ヶ月ほどニートのような生活をしていました。
その時間は、ひたすら自分を癒すことに集中する期間しました。
海外旅行に行ったり、友達と沢山遊んだり、いろいろな場所に出かけたり
毎日を楽しいと思える時間にして、少しづつ張り詰めていた心がほぐれていくのを感じました。
あの時期は本当に楽しかったです!

ニート期間と単発バイトの日々
しかし、その一方で、私がニート期間中にふと強く感じたのは、「生きていくだけで、お金がかかる」という現実でした。

楽しく過ごしていても、貯金はだんだん減っていく。
「このままじゃまずい、早く仕事を見つけないと」そんな焦りがだんだんと強く感じてきました。
そんな中で私は、看護師専門の派遣会社に登録して、単発のバイトや派遣の仕事を少しづつ始めていました。
週に2〜3日ほど、デイケアや有料老人ホームでの看護ケア、重症心身障害の子供たちの看護ケアの仕事を中心に回っていました。
また、ずっと心にひっかかていた、「1年目で退職して、しかも病棟経験はゼロ。ICU半年しか経験のない私に、次があるのだろうか」「すぐに辞めてしまった私は、根性がないと思われるんじゃないか」
そんな思いが何度も頭の中をぐるぐると回り続けていました。
自己否定と不安の狭間で揺れていました。
看護師として病院復帰を目指すも、辞退した理由

「このままじゃいけない」
そう思い、私は再び看護師としても道に戻ろうと、ずっと働きたかったNICUのある病院を中心に転職活動を始めました。
いくつかの病院で面接を受けましたが、NICUの採用は難しく、『成人病棟なら採用します』と言われたところがほとんど。
その中でも、奇跡的にNICU科での配属をしてもいいと採用された病院もあったのですが、不思議なことに、まったく嬉しくなかったんです。
むしろ「また病院に戻るのか」と思った瞬間、胸がザワザワして不安が押し寄せてきました。
夜も眠れず、頭の中では「働かないと」「病院で3年勤めてキャリアを積んで1人前にならないと」と頭では思っているのに、心も体もブレーキをかけていました。
病院に戻ることを想像するだけで、動悸がしたり、気分が落ち込んだり
病院勤務になる直前まで復帰するかとても悩んでいましたが、「やっぱり私には無理なんだ」、「看護師が向いていないんだ」と思い、病院で働くことを辞退しました。
今でも、もし病院で働くことになったらあの時と同じ状態になると思います。
自己分析で見つけた新しい道
そこで私は、看護師としてのキャリアを1度見直すことにしました。
「キャリアを積みたい」というよりも、「もう病院で働けない」そんな気持ちの方が強くなっていたのです。
でも、「じゃあ私に何ができるんだろう?」自分が何をしたくて、何をできるのか。
そんなことを改めて時間をかけて自己分析しました。
その中でふと思い出したのが、PICUで子供と関わる中で感じていた、小さな喜びや温かさでした。
子供達ともっと穏やかに関わっていける場所があったなら、もう一度看護師として頑張ってみたい。そんな気持ちが湧いてきたんです。
保育園看護師という選択

そんな考えの中、看護師の転職転職サイトで、「保育園で看護師募集」という言葉が目に飛び込んできて、最初は「え、保育園に看護師っているの?」と驚きました。
気になって調べてみると病気や体調不良の子どもを預かる”病児・病児後保育”という仕組みがあったり、園児の体調管理や怪我の対応、職員の健康サポートなど、保育園でも看護師が必要とされていることを知りました。
それはまるで、保健室の先生のような立ち位置で、園の中の”安心”を支える役割。
そんなイメージがふっと浮かんで「ここなら、私にもできるかもしれない」と、希望が少しずつ芽生えてきました。
目に留まった求人には、「未経験OK」「小児科経験歓迎」といった言葉が並んでいて、PICUでの経験もきっと無駄じゃなかったと思わせてくれました。
給与は病院よりも下がるところも多かったけれど、その中でも条件の良い園を選び、思い切って応募することにしました。
また、保育園の看護師は働く場所によって勤務形態が異なりますが、私が応募した園では拘束時間が比較的少なく、「ここなら他のバイトと掛け持ちしながらでも働けるかもしれない」と思えたのも、応募を決めた大きな理由のひとつです。
心と時間に少し余裕を持ちながら、もう一度看護師としての自分を取り戻したい
そんな願いに、ピッタリ合っているように感じ、転職サイトの応募ボタンを押しました。

そしていよいよ、面接の日。コロナ禍だったため、Zoom面接で行われました。
慣れないオンライン面接に少し緊張しながらも、画面越しにお話しした担当の方は落ち着いた雰囲気で、こちらの話を丁寧に聞いてくれました。
これまでのPICUでの経験を話すと、「それはなかなか大変な現場ですよね、とても頑張ってこられたんですね」と、優しい言葉をかけてくれました。
「PICUのご経験があるとのことで、園児の体調変化にもきっと早く気づいてもらえると思います。ぜひお願いしたいです」と、私の経歴を前向きに捉えてくれた言葉が心に残りました。
よし、保育園の看護師として、子供たちの成長や発達をそっと支えていけるように。
そして、風邪をひいてしまったり、怪我をしてしまった子どもたちには、安心して過ごせるようなケアを全力で届けよう。
そんな気持ちで、私は気合を入れて新たなスタートを切ることにしました。
保育園での看護師としての毎日

保育園で働きはじめてまず感じたのは、「健康な子どもって、こんなに元気なんだ!」という驚きでした。
もともと子どもが大好きだったので、毎日がとても楽しくて。子どもたちと一緒に笑い合って遊びながら、看護師としてというより、まるで保育士のように保育の時間を過ごしていました。
もちろん、風邪をひいたり体調を崩す子もいます。そんな時は、どうしたら少しでもしんどくならずに済むかを考えながら、ケアにあたっていました。
保護者の方が迎えに来られるまでの間、しっかりと看護をしていたので、「いつもありがとうございます」「見てくれて助かりました」と声をかけていただくことも多く、やりがいを感じる毎日でした。
保育園に通う子どもたちの家庭は、共働きの方がほとんど。だからこそ、保護者の方からの「看護師さんに子どもを見ていただけて本当に安心です、ありがとう」の言葉が本当に嬉しくて。
病院とはまた違うかたちで、「看護師として人の役に立てている」と実感することができた職場でした。
看護師キャリアへの思い

看護師での看護の経験を通して、「やっぱり看護師としての技術やキャリアをもう一度積み直したい」という思いが強くなり、私は退職を決意しました。
特に当時の私は、採血ができず、それが理由で派遣やアルバイトなどの求人の幅が狭いことに焦りを感じていました。そこで、技術を身につけられる職場への転職を強く意識するようになりました。
その後、転職サイトで「未経験OK」と記載されていた内視鏡クリニックの求人を見つけました。
成人看護や消化器、成人看護はまったくの未経験でしたが、「教育体制が整っている」と書かれていたこと、そして「アットホームな職場で、先生やスタッフ同士が笑い合って働いている」といった紹介文にも惹かれ、思い切って応募しました。
また、お給料が比較的高めだったことや、勤務地が家から近いという点も私にとって大きな決め手になりました。
結果としては私はこの職場で2年半勤務し、採血、ルート確保、点滴、内視鏡介助などの専門性の高い技術を身につけることができました。
未経験でも、きちんと学べる環境とやり切る努力があれば、できるようになるんだなと実感した職場でした。
そして今では、派遣や単発のアルバイトでの求人に幅広く応募することができるようになりました。あの時、思い切って「学べる環境」に飛び込んで本当に良かったと思っています。
1年目で転職するメリット・デメリット・コツ
メリット
・今の職場を辞められる
・自分に合った職場を見つけられる
・キャリアの方向転換しやすい
・新しい職場でのリスタートがしやすい
・転職活動を通じて、自己分析ができる
デメリット
・経験が浅い
・新しい看護業務を覚え直すことになる
・再就職先の選択肢が限られることもある
・転職先も”理想の職場”とは限らない
・同期や友人と比べて焦ってしまう
・「すぐ辞めてしまう」と思われてしまう
・キャリアが積みにくい
1年目で転職するコツ

1、自己分析をしっかりと行う
まずは『自分が何をしたいのか、できるのか、したくないこと』を明確にします。
給与、勤務地、福利厚生などの希望条件も含めて、ノートに書き出すと頭の中が整理できます。
実体験より、
私は5回以上転職しましたが、その度に『今勤めてる職場で嫌なこと』『次の職場に求めること』を必ず書き出して整理していました。
2、看護師経験が浅いことは素直に伝える
経験が少ないからこそ、『これから学びたい』『スキルを身につけたい』という意欲を履歴書や面接でしっかりと伝えることが大切です。
3、教育制度が整っている職場を選ぶ
未経験や経験が浅い場合、教育体制がしっかりしているかどうかは大きなポイントです。
研修やサポート体制があるかを事前に確認しましょう。
4、できれば入職前に職場見学を!
できれば面接前に職場見学をしておくと安心です。
職場の雰囲気やスッタフの対応など、自分に合いそうか判断します。
5、病棟以外の職場を視野に入れる
できる方は病院へ転職することをお勧めしますが、それができない方は病院以外の転職先を探しましょう。病院以外の看護師が働ける職場って本当にたくさんあります。
いろいろな働き方ができるので、自分に合う職場が見つかりやすいです!
6、求人の「人間関係」のキーワードに注意!
「アットホーム」「仲良し」「スタッフが優しい」などの言葉がある場合、本当に人間関係が良好か判断することが大切です。(※これは実際の体験からのアドバイスです笑 実際は人間関係が良くなかったです。)ですが、こればっかりは入職しないとほとんど分かりません。
あとは、常に求人している職場にも気を付けましょう。離職率が高い可能性があります。
7、志望動機をしっかり言語化して、熱意を伝える
「なぜこの職場で働きたいのか」については、書き出して整理してから面接に臨むことが成功の鍵。「ここで何がなんでも働きたい」という熱意を言語化して伝えることが大事だと思っています。
あと面接は緊張しますが、必ず笑顔でしっかり受け答えすることができると、好印象を持ってもらえます。
看護師1年目で転職した私から伝えたいこと

保育園で働きながら、空いた時間には派遣やアルバイトのお仕事もしていました。
同時に求人サイトもこまめにチェックしていたのですが、病院・病棟未経験もしくはブランクがある看護師でも受け入れてくれる求人は、意外と多く見つかりました。
その中で感じたのは、「どんな場所でも、自分がどう努力して学び、専門性を高めていけるか」がとても大切だということです。
病棟経験がなくても、学ぶ姿勢や今後どう乗り越えていくかをしっかり考えて行動していけば、次の職場ではそれが評価される場面が多いと実感しました。
もちろん、これまでの経験も大切ですが、新しい環境では1から学び直すことも多々あります。
だからこそ、「新しいことを素直に吸収しようとする姿勢」がとても大事なんだと思います。
そして私は、これまでの経験と、これから新しく学んでいくことを組み合わせていくことで、自分なりの”いい看護”ができると思っています。
そういった考え方や姿勢は、きっと新しい職場でも生かしていけると思います。

私は1年目で転職しましたが、当時は本当に毎日がしんどくて、「病院ではもう働きたくない」と思うほど追い詰められていました。
だからこそ、あの時転職して本当に良かったと思っています。心からそう感じています。
今では、自分なりに看護師のキャリアを積めて、とても良い職場で楽しく働けています。
ただ、病院や病棟が嫌というわけではなく、「今の職場が合わない」と感じている方や、「病院勤務自体は続けれる」と思っている方は、まずは病院を変えて転職を考えてみるのも選択肢の1つです。
やはり、病棟での経験というのは看護師としてのキャリアを築く上で強い武器になりますし、それが必要とされる場面も多いのは事実です。
大切なのは、自分自身の心と丁寧に向き合いながら、「自分はどんな働き方をしたいのか」「何にストレスを感じているのか」「キャリアをどこまで積みたいのか」などを振り返り、しっかりと自己分析をしていくこと。
その上で、自分に合った職場を見つけていく転職につながるのではないかと思います。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!